素材について - 銀座鈴屋

創業から60年以上経った今も変わることなく、伝統的な製造方法を守り続けている銀座鈴屋。

東京は八王子市、JR中央線豊田駅と八王子駅との中間にあるこの工場は、昭和48年に移転して以来、和菓子製造工場ならでは懐かしい匂いと昔ながらの趣を保ちながら、銀座鈴屋の製品を熟練職人による手作業で作り続けている。

原材料となる豆は、生産に適した涼しい気候で、全国の約80%を生産する北海道十勝から直接入手。生産者とはすべて栽培に関する契約を結ぶことで、甘納豆に適した原材料を安定的に仕入れている。

1）素材となる豆を水につけてふくらませる。季節によって水の温度が異なるため、ふくらむ時間は夏場は短く、冬場は長くかかるというように差が出てくる。
2）ふくらんだ豆をステンレスの釜でゆでていく。釜1つあたりおよそ60kgの豆が入る。豆の種類によってゆでる時間はさまざまだという。
3）ピアノ線を豆に刺してゆで加減を確認する。昔ながらの確認方法。「創業当時から作り方は変わっていないんです」と工場長。ゆで上げた豆は数回アク抜きをし、良品質を保つよう心掛けている。その後ザラメと水を適切な割合に配合しできた糖蜜の釜へ、クレーンで引き上げた豆を丁寧に漬ける。

4）豆から水分が出て糖蜜が薄まるため、豆を1日に1-2回引き上げ、糖蜜に再び砂糖を加え、濃度を一定にしておくのが銀座鈴屋ならではのこだわり。たっぷりと糖蜜を吸収した豆は、豆同士が互いにくっつくことのないよう、砂糖をふり乾かす。

工場では、高熱殺菌、金属探知機でのチェックなど、品質の管理がかなり厳しく行われている。

「良質の原材料の確保が非常に大切です。昔と変わらない手作りでの製造を続けていくためには、時に現地まで足を運び、生産者と対話しながら、製造現場の思いを伝えるとことが重要なのです」。
(荒井工場長)

■栗甘納糖
甘納豆専門店「銀座鈴屋」の代表銘菓です。選びすぐりの栗のみを使用し、素材本来のおいしさを追い求めました。その姿は雅の風格を有し、世代を超えて皆様に愛されております。

■渋皮付栗甘納糖
渋皮つきのまま形を崩すことなくしっとり柔らかく仕上げました。粒の大きさ、色つやの上品さ、豊潤な味わい。栗甘納糖と並んで当店の代表銘菓となっております。

■お多福豆(おたふくまめ)
皮まで柔らかく煮詰め、香り豊かなコクのある味わいに仕上げました。お多福の顔に似ていることから「多くの福を招く豆(お多福)」と呼ばれ、お祝い事のご贈答に大変ご好評を頂いております。

■大納言
和菓子には欠くことのできない小豆は、甘納豆においても大変人気のあるひと品です。その小豆の種の中でも代表格の「大納言小豆」を使用しております。

■大福豆(おおふくまめ)
美しく自然な乳白色と、きめ細やかな食感が上品な「大福豆」。白隠元の中でも最も高級な菜豆と言われております。

■うぐいす
鮮やかで美しい緑色は、青えんどう豆の自然の色。着色料は使用しておりません。その独特の青い風味が人気の甘納豆です。

■虎豆
香ばしい香りが特徴で煮豆の王様などと呼ばれる「虎豆」。名前の由来は白地の豆「へそ」の周囲の褐色まだら模様が虎の皮に似ていることからきています。

■蓮の実
古来、中国において健康に良い食物として珍重されてきた蓮の実。選びすぐった大粒の蓮の実の少しほろ苦さの感じられる独特の美味しさを甘納糖にしました。